報道機関によると・・・来春開学を目指す秋田公立美術大(秋田市)など3大学に対する「不認可」について、田中真紀子文部科学相は、これまでの判断を覆し、新設を認める考えを表明した。3大学は予定通り開学できる見通し。「認可するわけにはいきません」とした2日の発言からわずか5日。同大への進学を目指す学生たちも「結局(この騒動は)何だったの」とあきれている。
真紀子氏は、「3大学の扱いについては、諸般の事情も鑑み、“現行の制度”にのっとり適切に対応する」とこれまでの判断を一転させた。大学認可に新基準をつくるとし、「3大学も新基準で判断したい」と繰り返した。真紀子氏は翻意の理由について、「圧力に屈したわけではない」「迷惑も掛けたが、役所主導を変えるのは大変なエネルギーがいる」と釈明した。2日の判断について「不認可の処分はしていない。世間は誤解している」などと発言。文書通知はしておらず不認可処分は出ていない、との文科省側の説明に沿う形に終始した。
文科省は近く大学側に正式に通知する。当初の大学設置・学校法人審議会の答申通りの決定に戻り、大学側や学生らが翻弄され続けて騒動は幕引きへ。野党は大学関係者や行政に混乱を招いたとして、文科相の資質を問題視。自民党は「行政の長として全く自覚がない。首相は罷免すべきだ」と批判し、参院での問責決議案の提出も視野に、野田佳彦首相の任命責任も追及する構えだ。
※精神科医香山リカさん『発言の内容より、発言が周りの人や有権者に与えるインパクトを重視しているように見える。恐らく、大学の設置認可にも外相時代の「外務省改革」にも関心はなく、いかに注目を集めるかにだけ興味があるのだろう。ズバッと発言して喝采を浴びる場合もあるが、自らの信念に基づいているわけではないため、反発されると今度は反対方向に極端なことを言って手のひらを返す。それで周りを振り回したり、信じてしまった人がばかを見たりする。申し訳なさや良心の呵責(かしゃく)はあまり感じないのではないか。』