参院選が公示された昨日、インターネットを活用した選挙運動が解禁され、与野党各党は早速、ネット上で支持を訴えた。今、新聞やテレビ等でも「ネット選挙解禁」により何が、どう変わるのかが話題となっています。今回の解禁は、有権者にとっては選挙期間中も候補者に関する様々な情報が得られ、選挙がもっと身近なものになるというメリットがあります。それは自分の選挙区から立候補している候補を比較・検討し、誰に投票するか決めたいと思っても、これまでなら街頭演説などの日程がわからないために、自ら確認して街頭演説に行ったり、ビラ等を入手しなければなりませんでした。
しかし、今回からは、各々の候補者は選挙期間中の街頭演説などの情報をネット上で公開するでしょうから、そうした候補者に関する情報をネットで収集し、生の候補者を見に行ったり、政策を見比べたり、動画等を通して候補者の活動ぶりを比較するなど、いつでも、どこでも候補者を見極めることができるようになったのです。
候補者にとって、「ネット選挙解禁」は選挙期間中も自らの考えや政策等を訴える機会が増えた一方で、新たな脅威が増えたともいえるでしょう。今はビデオカメラを用意しなくても、デジカメやスマートフォン等で手軽に動画が撮影できる時代です。ですから、仮にある候補者が演説する会場によって、自らの意見を変えたりした場合、その場面を動画に撮られて動画投稿サイトにある日突然アップされ、その“二枚舌”ぶりが注目され、有権者の信用を失い、選挙戦で大きなダメージを負うことがあるかもしれません。
ネット上には実に様々な情報(ホントのことも、全く事実無根のことも)が掲載されています。ですから、ネット上の情報だけを頼りにするのではなく、様々な角度から候補者を見て、自分が投票する候補者を決めていただきたいと思います。「ネット選挙」が解禁されたとはいえ、あくまでもインターネットは媒体の一つなのです。