21日投票・開票に向けて実施されている参院選は、自民、公明両党が「ねじれ解消」を訴え、過半数確保を目標に掲げているのに対し、野党側は目標をあいまいにする姿勢が目立っている。与党の優勢が伝えられる中、参院選の結果が党首の責任論に発展することを避けたいとの思惑がありそうだ。自民党は街頭演説で、『自公で過半数確実』なんて信じてはいけない。今度の選挙は、いささかも手を緩めることはない」と上滑りを警戒している。
報道機関の参院選序盤情勢調査では、自公両党が目標に掲げる過半数ラインの63議席を超えるのは確実な勢いだ。だが自民党は「支持はふわっとした弱い支持でしかない」とみている。安倍首相も「参院の改選されない残り半分は、(与党が)過半数にだいぶ及んでいない。議席をしっかり取っていかないと過半数に達しない」と強調した。野党各党は「与党の過半数阻止」の目標では足並みをそろえている。だが、民主党は党の目標は「1議席でも多くとることに尽きる」と語るだけだ。6月の東京都議選で第4党に転落した民主党にとっては、改選44議席からの減少幅をいかに小さくとどめるかが現実的な課題だ。しかし党内では「20議席を割り込んだら海江田氏の責任論になる」との声が出ている。
日本維新の会も目標は明確にしていないが、「4でも5でも勝ちにはならない」と述べた。若手議員の中には「5議席以下なら責任論に発展しかねない」と受け止める向きもある。みんなの党は「(改選の)3議席を一つでも上回りたい」と語る。ただ、前回2010年参院選では10議席を獲得しただけに、党内には「目標が低すぎる」と疑問視する向きもある。一方、都議選で躍進した共産党は「比例選で5議席確保」を掲げる。