総務省が「敬老の日」に合わせて行った人口推計で、65歳以上の高齢者人口が3186万人となり、総人口に占める割合が初めて25%に達したことがわかった。4人に1人が高齢者となる計算です。第1次ベビーブームに当たる1948年生まれの人が65歳になったのが要因という。男女別にみると男性が1369万人、女性が1818万人。年齢別では70歳以上が2317万人、75歳以上が1560万人、80歳以上が930万人だった。推計では高齢者の割合は35年に33・4%となり、総人口の3人に1人が高齢者になる見込みだ。
これまでは高齢者問題といえば年金や医療、介護など、「高齢者を支える」視点で語られることが多かった。もちろん支えを必要とする人には手厚い施策が欠かせないが、勤労人口の減少と社会保障費の膨張で、高齢者を一律に支えられる側と見る意識は根本的な転換を余儀なくされている。元気な高齢者には可能な範囲内で、労働や社会活動に参加できるような社会基盤を構築していかねばならない。社会保障制度改革国民会議の報告書も「働く意欲のあるすべての人が働ける社会を目指し、支える側を増やすことが必要」と明確に示している。
高齢者の元気は間違いなく社会に活力をもたらす。いつまでも現役、いや「働き盛り」であり続けられる環境作りも重要な施策である。「昔取った杵柄(きねづか)」を生かす場を環境も必要です。まだまだ、こうした環境が少ないことも事実である。全国の自治体の中で高齢者を使った施策もある。