西日本新聞報道によると・・・・「昨年10月、入院患者ら10人が犠牲になった福岡市博多区の医院火災を機に、火災発生時に非番の職員や近隣住民に出火を伝える「火災一斉メール」が注目を集めている。消防への119番通報とほぼ同時に、火元の施設名や住所などの文字情報が最大500人に届けられる。当直態勢が手薄になる夜間の避難支援や救助に威力を発揮しそうだ。
開発したのは大分県日田市の加藤電工。病院や介護施設の火災通報装置にメール送信機能を組み合わせ、2010年にサービスを開始した。通報装置のボタンを押せば自動的に消防署に119番通報し、その直後にアドレスを登録した人にメールが一斉送信される。加藤初徳社長は「博多の火災の後、防火意識が高まり、契約も問い合わせも増えた」と話す。火災通報装置を導入済みの施設なら、初期費用8300円、月額3千円で利用できる。
現在の契約先は介護施設や医療機関など約300件。送信リストに近隣住民を入れている施設も大分県などにあるという。博多の火災では当直が1人態勢で避難誘導が不十分だった。非常時に地域の人手を借り、動けない病人やお年寄りを助け出そうという狙いだ。
福岡市早良区の牟田病院は1月にこのシステムを導入した。以前は電話連絡網で職員に緊急連絡する態勢を取っていたが、年2回の夜間訓練ではなかなか電話がつながらず、全員に連絡がつくまで2~3時間を要することもあったという。行徳正浩総務課長は「火災は初動が大事。一度に連絡が届けられ、いざという時は有効だと思う」と話す。