大分合同新聞報道によると・・・・「文部科学省は中学3年、小学6年を対象にした全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の学校別の成績について、本年度から市町村教委の判断で公表できるよう方針転換した。県内18市町村教委への取材によると、「住民への説明責任がある」などを理由に5市村が何らかの公表を決めている。過度な競争への懸念から5市町が公表しないと回答。8市町は検討中としている。
「検討」8市町 非公表は5市町 大分市教委は市内の小中学校が自校の平均正答率と結果の分析、改善策などを公表することを決めた。これまでも学校によっては保護者らに成績を開示していたが、原則明らかにするように改め内容も統一する。各小中学校長も同意しているという。同市教委は「家庭や地域ぐるみで児童生徒の学習を改善する機会にしたい」と説明。豊後高田市教委も「各学校の課題が明確になる。成果を挙げている学校の取り組みを各校で積極的に取り入れることができたらいい」と話す。
公表を決めているところは教委がまとめてはせずに、学校ごとにホームページ(HP)などで開示する方針。小規模で児童、生徒が特定される恐れがある学校は除く。姫島村教委はこれまで通り、村報に限って公表する。公表しないと決めた別府市教委は「学校の序列化と過度の競争につながる」、豊後大野市教委も「子どものつまずきを把握して改善することが目的なのに、点数だけで学校の良しあしが判断される」と懸念を示した。小規模校が多い地域では「小中ともに児童生徒が10人を切るような学校が半数を占め、個人の特定につながる恐れがある」(玖珠町教委)との声が上がる。
最も多かった「検討中」と答えた教委。中津市教委は公表に前向きで「家庭学習や規則正しい生活習慣を身に付けるきっかけになれば」と期待を寄せる。一方、臼杵市教委は「良くない結果が出た学校では子どもたちのやる気をそぐことにならないか」と心配する。まだ見極めがつかない教委も。杵築市教委は「長所と短所があり、協議を深める必要がある」。由布市教委は「どんな影響が出るか分からず、一つの市では決めにくい。全県的な動向を見たい」と話している。
根強い競争過熱の懸念 ◆解説◆
全国学力テストの学校別の成績を公表するかどうか、市町村教委の対応は分かれた。文科省は地域を巻き込んで学力向上につなげるなどの狙いから、昨年11月に実施要領を変えて教委が成績を公表できるようにした。県内の市町村教委は学校の順位付けにつながらないよう、現状では教委がまとめて公表するところはない。
ただ、国の方針転換に伴い、学校ごとには原則公表するよう指示して地域への説明責任を果たそうとする動きは進みつつあることが分かった。県教委も、市町村教委の同意を得ることを前提に、公表に前向きな姿勢を示しており、目標をクリアした学校の公表など方法を検討している。
一方で学校間の競争過熱、序列化が進むことを懸念する声は依然根強い。1960年代には、競争が行き過ぎて国の学力テストが中止になった経緯がある。教諭が試験中に子どもに答えを示唆するといった不正も相次いでいたとされる。
懸念を象徴するようなことは先月、県内でも起きた。県独自の一斉テスト前日に、由布市の小学校教諭が問題文をコピーして児童に解かせていた。公表により成績が独り歩きするようになれば、学校現場にゆがんだ学力向上の重圧がかかりかねない。県独自の一斉テストでは、県教委が目標値をクリアした学校を既に公表している。全国学力テストとの整合性も議論になりそうだ。
文部科学省が2007年度から実施しており、本年度は4月22日に国語と算数・数学の2教科で一斉に行われた。全国で約224万人、うち県内では約2万人が参加した。結果は8月ごろに判明する見通し。同省は学校別の成績を公表する条件として▽結果を分析し、改善策を示す▽成績を一覧で比べられる記載や順位付けをしない―といった措置を求めている。これまでも学校が地域住民に成績を説明することは認められてきた。
【私の主張・・・・日田市教委は公表することになっている。日田市教委は強い指導体制の中、全小中学校で学力向上の教育が行なわれている。有田小学校の評議員を2年間していたこともあり、末端での先生達の取り組みに頭が下がる思いをしている。評議員に対し年に2回、学力向上会議があり、その取り組みについて詳細に報告される。学校での取り組み、家庭での取り組み、学力絡みの体力向上取り組み、生活面などにも指導体制が確立されている。有田小学校の先生達の取り組みは中途半端な取り組みはしていない。それだけ真剣に全体の学力向上に向けて取り組まれている。市教委の方針かもしれないが、これだけ徹底していけば学力、体力・生活面にその効果は出るはず。何処に出しても恥ずかしくない成績と教育方針である。これからも広瀬淡窓先生の教えを前面に出しての教育方針を貫いて欲しい。】