大分合同新聞報道によると・・・・「消費税増税の理解を得るため約束していた衆院の定数削減は実現しないまま、総選挙に突入することとなった。自民、民主両党は公約に定数削減を含む選挙制度改革を盛り込んだが、数値目標などが明確なものではない。一方、自治体財政が逼迫(ひっぱく)する中、大分県を含め地方議会は定数を減らす方向で進んでおり、県民からは「まず国会が範を示すべきだ」との声も出ている。
2012年11月、自民、公明、民主の3党は「13年通常国会中に結論を出す」として定数削減に合意した。翌12月、衆院は解散したが、その後の成果は1票の格差解消を主眼に置いた「0増5減」だけ。大分市の主婦(80)は「国会議員の数は多すぎると思う」ときっぱり。国東市の介護士男性(41)は「そもそも選挙に税金を使うときではないのに…。当然削減はしてもらいたい。増税の議論の前にもっと他にすることがあるだろう」と指摘する。
県内自治体の議会は議員数を減らし続けている。特に、平成の市町村合併をした自治体では議員が大幅に減少。その後も定数削減の流れは変わっていない。各議会事務局によると、3党合意が交わされて以降、議員定数削減の条例改正をしたのは8議会。うち7議会で来年2~4月に改選がある。各地の自治会団体も行財政改革などを理由に削減の要望を続けている。玖珠町議会は9月定例会で議員定数を2減の14にする条例改正案を可決。高田修治議長は「今後、社会保障費が増えていくことは分かっている。議員の大半が『この時期に減らすべきだ』という意見だった」と説明。
県議会は曲折を経て定数を44から1減らした。近藤和義議長は「人口減少社会を迎え、まず国会議員が身を切ることを継続していってほしい。ただ、人口比だけで削減すると地方の声は反映されなくなる。地方を守る視点も踏まえ削減を考えてほしい」と求める。日本文理大学経営経済学部の奥田憲昭教授(地域社会学)は「『地方がこれだけ削っているのに国会が約束を果たさないのはおかしい』という意見は正論。今回は突然の解散で重要な争点にはなりそうもないが、選挙後は早急に検討に入るべきだ」と話している。 ※この記事は、11月29日大分合同新聞朝刊23ページに掲載されています。