大分合同新聞報道によると・・・・「大分県内の3選挙区は自民党が2、3区で勝ち、1区の前職は比例九州ブロックで復活、再選した。民主党は元職が1区を制して返り咲いた。社民党は2区の前職が比例復活で再選を果たした。共産党は1~3区でいずれも敗れた。1区は民主元職の吉良州司氏が自民前職の穴見陽一氏を約6千票差で破り、4選を決めた。2区は自民前職の衛藤征士郎氏が社民前職(比例九州)の吉川元氏に約2万7千票差をつけ11選。3区は自民前職の岩屋毅氏が民主新人の浦野英樹氏を約5万8千票差で突き放し7選を果たした。
【1区】 返り咲きを狙った吉良氏が終盤に穴見氏を逆転した。主力の連合大分が組織票固めを徹底して足場を築き、後援会も活発に動いた。中盤には釘宮磐大分市長の後援会が全面支援を決め、陣営の勢いが増した。「反自民」を意識した戦略で社民党系労組を含む野党支持層を取り込み、無党派層からも一定の支持を得た。
穴見氏は党組織と後援会を主軸に企業、業界団体が動いて集票した。公明党も選挙協力。安倍晋三首相をはじめ閣僚、党幹部が相次いで大分入りし、2、3区からも応援が入る党の総力戦で保守票を積み上げたが、無党派層など保守層以外への広がりを欠いた。共産新人の山本茂氏は無党派・野党支持層に食い込めなかった。
【2区】 衛藤氏は広い選挙区をきめ細かく回り、組織型選挙を展開してベテランの強さを見せつけた。旧市町村ごとに設けた党支部や業界別の後援会員を集めた個人演説会を重ね、保守票を手堅くまとめた。選挙協力した公明党支持層にも浸透。全ての市町村で優位に戦いを進めた。
吉川氏は党組織と県平和運動センターを主軸に、個人後援会や連合大分も加わって組織戦を展開。保守地盤の切り崩しと「反自民票」の掘り起こしを狙ったが、十分取り込めず、衛藤氏に迫ることができなかった。得票数は前回を上回り、比例で復活当選した。
共産新人の山下魁氏は消費税増税の中止などを訴えたが、党支持層以外への広がりは不十分だった。
【3区】 岩屋氏は終始安定した戦いぶりで、新人2人の挑戦を退けた。党支部や後援会の組織力を背景に小まめにミニ集会や街頭演説を重ねて、経済再生に取り組むための政権継続を訴え、浸透した。公明党との選挙協力も機能した。大票田の地元別府市をはじめ、全市町村で保守票を手堅くまとめて大差をつけた。
浦野氏は「反自民の選択肢」をアピールしたが、出馬表明が解散直前だったことが響き、最後まで出遅れを挽回できなかった。連合大分を主軸に組織戦を展開したが、短期間での浸透は難しかった。無党派層や引退した民主元職の支持者も取り込めなかった。共産新人の大塚光義氏は政権批判票の一部を取り込んだが、広がりを欠いた。