昨年度、全国の市区町村で無投票となった議員選挙は増加している。「平成の大合併」が一段落した平成18年以降の7年間で2.8倍になっていることが分かった。無投票の割合は特に地方で高い。この間に、議員の総定数は約2割(8301人)減っている。高齢化や人口減少で地方を中心に自治体議会の担い手が不足し、有権者の投票機会が奪われている実態が浮かんだ。
無投票が急増する要因として、(1)合併した自治体は地域としての一体感に乏しく、新たな議員のなり手が出てこない(2)合併で選挙活動の範囲が広がり、資金負担が増加した(3)公共事業縮小などで政治への関心が薄くなった(4)議員の報酬削減や年金制度廃止で若い世代のなり手が減ったなどがある。「選挙で競争がなければ良い政治家は集まらない。定数をぎりぎり上回る事実上の無投票のような選挙も増えており、地方議会は危機的状況だ」と指摘されている。
ところが、来年実施される日田市議会選挙は新人の立候補予定者が続々現れ、稀に見る激戦になる予想がある。定数が2名減少し22名。現職議員の勇退者は1名~2名、県議へ鞍替えが2名、新たな新人(咸宜・三芳・西有田・東有田・小野・天瀬・夜明)7名、元市議1名が立候補のために準備を始めている。予想通り新人が立候補すれば、4人~5人が定数を越すことになる。その他、幾つかの地区で予定者を発掘する動きもあり、乱立に激戦が予想される。