両候補ともに『県民党』を名乗るが・・・

2015/04/08

広瀬勝貞候補釘宮磐候補村山元総理

産経新聞報道によると・・・・「大分県知事選(12日投開票)は、自民・公明が支援する現職の広瀬勝貞氏(72)がリードし、民主党が推す前大分市長の釘宮磐氏(67)が追う展開となっている。2人はともに「県民党」を強調するだけに、党からの支援は最低限に抑えているが、「自民vs民主」の攻防は、水面下で激しさを増している。「地方創生を加速させるには、広瀬氏が勝ち抜き、今後も継続して知事をやってもらうことが重要だ。『一族郎党』として、私からも広瀬氏支援をお願いしたい」

4日夜、林芳正農林水産相が、JAおおいた本店(大分市羽屋)で開かれた広瀬氏の個人演説会に駆けつけ、集まった農協関係者約500人にこう語った。「一族郎党」という言葉通り、林氏は広瀬氏の妻の甥にあたる。演説では安倍政権が進める農協改革などには触れず、農産物の輸出推進の重要性などを中心に述べ、冒頭と最後に広瀬氏の支援を呼びかける程度にとどめた。広瀬陣営の幹部は「あくまでも親族として支援してもらった」と強調する。

広瀬氏は告示前日の3月25日に自民党県連と公明党県本部から推薦を受けた。自公の県議や市議らが応援する。ただ、党本部の推薦はない。これまで「県民党」として与野党相乗りだったことや、自民党の色が出過ぎると無党派層取り込みの妨げになると懸念したからだ。陣営に配慮し、自民党県連会長の衛藤晟一首相補佐官(参院議員)は3月26日の出陣式で「私たちは『黒子』になって支えていく」と裏方を強調した。自民党選対委員長の茂木敏充氏も4月1日に来県したが、街頭に立つことはなく、選挙事務所や支援団体を回り、水面下で組織の引き締めを図った。

また、大分では社民党が一定の勢力を持つ。党県連顧問で元首相の村山富市氏は、個人的に広瀬氏支援を決めた。広瀬陣営の幹部は「自民党の組織力はありがたい。だが、村山氏の支援は、自民党色を薄めるのに効果があり、もっとありがたい」と語った。

一方、釘宮氏は広瀬氏以上に「県民党」をアピールする。釘宮氏の意向を受け、民主党は県連レベルでも推薦は出していない。民主党本部は告示日、岡田克也代表の応援を打診したが、陣営が断った。以降も、3月31日に玄葉光一郎党選対委員長が事務所を訪問しただけ。現時点で民主党幹部の来援は予定していない。陣営幹部は「政府や自民党とべったりのイメージが強い広瀬氏との違いを明確にし、草の根選挙をやっていく。無党派層が動けば潮目は一気に変わる」と語る。

とはいえ、選挙戦では組織が重要となる。釘宮陣営は、3回の市長選勝利の原動力となった市職労を中心に、昨年末の衆院選で大分1区で勝利した民主党衆院議員の吉良州司氏の後援会などを頼みとする。吉良氏本人は告示後、1度応援演説したきりだが、後援会は衆院選で、自民の穴見陽一氏(比例復活)を破った実績を持つ。広瀬氏の陣営も「選挙のプロ集団」と警戒する。同じ12日投開票の県議選に出た民主系候補も、釘宮氏の支援を呼びかける。

民主党県連幹部は「今後の国政を考えれば知事選は重要。推薦という目に見える支援ではないが、個人レベルでの意識は高い」と語った。ただ、連合大分の傘下組織の一部が広瀬氏に回っており劣勢は否めない。知事選ではほかに、共産党県常任委員の山下魁氏(38)が「安倍政権に物を言える県政に」と訴え、造園技能士の箕迫高明氏(65)、農業の池崎八生氏(61)もそれぞれ支持を呼び掛けるが苦戦している。