豊後大野市は、外部の学識経験者が市政に関する苦情を調査し、市に是正勧告などをする「オンブズマン制度」を導入すると発表した。市によると、公的オンブズマンの設置は県内自治体で初めて。6月議会に設置条例案を提案し、可決されれば10月からスタートする。
条例案では、オンブズマンの定数は2で身分は非常勤特別職。任期は3年。総務課内に置く事務局の職員2人が市民らの苦情を書面で受け付け、オンブズマンが毎月2回の相談日に申立人から事情を聴く。調査が必要と判断した場合、該当部署に書類の閲覧や提出を求め、関係者の同意を得て事情聴取や実地調査を実施。合議により、是正措置を講ずるよう勧告したり、制度の改善を求める。市は、オンブズマンの独立性を尊重し、積極的な協力・援助に努めなければならないとしている。
公的オンブズマン制度は1990年、川崎市が国内で初めて導入し、沖縄県や熊本市にも制度がある。豊後大野市では、2012年制定の市まちづくり基本条例の中にうたわれ、公募などによる市自治推進委員会が14年9月、導入を市長に答申していた。市議時代から導入を目指す橋本祐輔市長は「開かれた信頼される市政に必要な制度。職員の意識改革にもつながる」と話した。 ※この記事は、6月6日大分合同新聞朝刊に掲載されています。