市長選現状と展望 毎日新聞報道

2015/06/26

毎日新聞で次のような報道がされている。・・・・・・『日田市長選 来月5日告示 人口減少、振興局再編、防災、市街地活性化 現状と展望は…』 

◇現職と新人の一騎打ちか・・・・・日田市選管は24日、任期満了に伴う市長選(7月5日告示、12日投開票)の立候補予定者説明会を開き、再選を目指す現職の原田啓介氏(56)と、新人で元県教育委員会課長の小池昭太郎氏(57)=ともに無所属=の一騎打ちの公算が強まった。今年は地方創生元年、市町村合併から10年、そして2012年の九州北部豪雨から3年。日田の将来を問う節目の市長選を控え、人口減少や振興局再編問題、防災、中心市街地の活性化など、市の厳しい現状と展望を探った。

◆人口半減へ?・・・・・人口7万1010人から最少で3万5000人へ。日田商工会議所と大分大が2013年3月に発表した50年の人口推計だ。「このまま対策を取らなければ」が前提だが、市民に与えた衝撃は大きかった。市町村が合併した05年春の人口は7万5970人だったが、昨年、ついに7万人を切った。さらに昨春の日本創生会議の提言書(増田リポート)が追い討ちをかけた。20〜30歳代の女性人口が半減する消滅可能性自治体に日田市も挙げられた。40年までに52・4%減少するという。人口減少は活力をそぎ、経済低迷を招く。市は今年2月に「まち・ひと・しごと創生本部」を設置。7月をめどに人口ビジョン、11月までに日田版の総合戦略を策定し、持続可能な地域社会の形成を目指す。定住自立圏構想も含め、実効性のある具体策ができるかが試されている。

◆再編反対・・・・・・「地域が崩壊する」と旧郡部(5町村)を騒がせているのが振興局の再編問題だ。市は3年後をめどに「大山・前津江」「中津江・上津江」「天瀬」の3エリアに再編し、今の前津江局と上津江局を支所化する縮小案を示した。行財政改革の一環。前津江町の人口は合併時から458人減の1078人、上津江町も同320人減の892人と、典型的な過疎化や高齢化が進行している。そろって振興局の存続を要望した。「中核施設の縮小は住民の生活不便・不安を増大させ、基幹産業である農林業の衰退に拍車をかける」。嶋崎雄児・上津江地区振興協議会長は危機感もあらわ。「むしろ振興局のシンクタンク機能を充実させ、元気と若者を呼び込む施策を。我々も知恵と汗を絞り、地域に眠る資源を掘り起こしたい」と話し、「市長選の論戦、そして終了後が勝負」と注視している。

◆地域の防災力・・・・・・ 「自分の身は自分で守る自主防災組織の育成・強化、避難体制の確立、ハザードマップ見直しなど、課題はまだまだ多い」。市防災・危機管理室の坂本憲明室長、原田豊司総括は口をそろえる。日田は12年7月、「これまで経験したことのない大雨」だった九州北部豪雨などで2回被災。防災計画の見直しなど防災・減災の施策はぐっと向上してきた。258ある自主防災組織の要となる防災士は、これまでに314人を養成。18年度までに495人に増やす計画だ。豪雨時に防災無線放送のサイレンが聞こえなかったことを教訓に、避難勧告などの前に鳴らすサイレンをより遠くまで聞こえるよう改善した。また、これまで1カ所にあった災害用の備蓄物資を計17カ所に分散。河川監視カメラも従来の7基に加え、新たに5基を設置した。

◆市街地活性化・・・・・日田商工会議所の高山英彦会頭は「このままでは中心市街地が、中心市街地でなくなってしまう」と嘆く。昨年12月、市は「賑わい創出事業」として取り組んだ中心部の空き地(民有地、9000平方メートル)の買収計画を中止した。高山会頭は「何とか打開策を」と期待する一方、▽空き店舗になった原因の調査と市内外からの入居者誘致▽日本遺産・咸宜園跡の観光利用と交流人口の拡大▽日田代官所を復元する市民運動−−などを提唱している。