大分合同新聞報道によると・・・・文部科学省は、小学校6年と中学3年の全員を対象に、4月に実施した2015年度全国学力テスト(学テ)の結果を公表した。都道府県別の平均正答率(公立のみ)を大分県教委が独自に集計した県内の総合順位は小学校が14位(昨年度16位)、中学校が32位(同35位)。小学校が3年連続で過去最高を更新する一方、中学校では全国平均を下回る近年の傾向に変化はなく、県教委が課題に挙げる中学生の学力底上げに向けて対策強化が求められそうだ。
全国学テは国語と算数・数学の2教科が基礎的知識を問うA問題と知識の活用力をみるB問題に分けて出題し、3年に1回行われる理科を加えた3教科・5科目で実施。県内の公立学校は小学校276校の6年生9812人、中学校131校の3年生9654人が参加した。県内の中学校は昨年度から総合順位を伸ばしたものの、全5科目がいずれも20〜30位台にとどまり、全国平均を超えたのは国語Aだけ。特に数学Bは、小学校を含めた科目別順位で最も低い39位で、正答率も全国平均を2・2ポイント下回った。
小学校は理科の平均正答率が全国平均を2ポイント上回り、県教委は「実験、観察を中心とした授業が定着しつつある」と分析。このほか国語A・B、算数Aも正答率が全国平均を超えたが、算数Bは唯一、全国平均に届かず順位も昨年度の19位から27位に低下。応用力に課題を残した。県教委はここ数年、思考力、判断力、表現力を重視した「1時間完結・問題解決型授業」への改善を推進してきた。一定の成果を挙げている小学校に比べ、中学校の学力が低迷する要因を探りかねており、全国学テの結果分析とともに学校現場の課題を洗い出し、抜本的な対策を検討する。県教委は市町村教委の同意を得た自治体別の平均正答率を9月1日にも公表。学校名については、全5科目の正答率が本年度、昨年度の2年連続(理科は本年度のみ)で全国平均を上回った公立小中学校に限り、10月をめどに公表する。