毎日新聞報道によると・・・・「日田祇園祭の豪華な山鉾(やまぼこ)9基などを彩る祇園人形の衣装作りや着付けを約60年務めている同市隈、長嶋タネヨさん(88)を、日田市が「文化の日」の11月3日に市政功労者として表彰する。夫の作造さんは、3年前に88歳で亡くなった日田祇園人形師。家業を継いだ次男静雄さん(60)まで3代の人形師とともに歩み、日田の夏の風物詩を陰から支えた長嶋さんは、表彰を夫の遺影に報告した。
等身大の人形約30体の多くは毎年新調し、題材も変わる。タネヨさんは1954年に先々代・清さんの下で衣装を担当して以来、今も現役だ。保存している着物の仕立て直しや時代考証とともに、「主役と脇役の衣装のデザイン、色合いのバランスに一番気をつかいます」と話しつつ、「若い頃から慣れた仕事ですから」と笑顔を浮かべた。
日田祇園祭は国の重要無形民俗文化財で、起源は約500年前。1714年から今のような山鉾を奉納し、江戸幕府の西国筋郡代の権威と豪商の財力を背景に、隆盛を極めた。その主役の一つが、歌舞伎や人形浄瑠璃を題材にした祇園人形だ。タネヨさんは、伝統文化の継承に貢献したとして表彰が決まった。
日田祇園山鉾振興会の後藤稔夫会長(92)は「祇園祭になくてはならない存在で、(表彰は)むしろ遅すぎたくらい。いつまでも元気に続けてほしい」と喜ぶ。長嶋さんは3日にパトリア日田である表彰式に、天領まつりやひなまつりに尽力した石丸邦夫・前市観光協会会長(71)ら他の表彰者9人とともに出席する。