毎日新聞報道によると・・・・日田市が第三セクターをJR九州に譲渡して完全民営化した産業・娯楽総合施設「おおやま夢工房」=同市大山町=は27日の臨時株主総会で、新たにJR側から出向する取締役4人と監査役1人を選任した。直後の取締役会で社長に選ばれたJR九州事業プロジェクト担当部長、石橋隆さん(45)は「JRグループの総力を挙げて支援し、成果を出したい」と強調。2016〜17年度に約10億円を設備投資し、老朽化した施設をリニューアルする考えを示した。
温泉・宿泊施設、梅酒製造施設、道の駅などを経営する第三セクターだった夢工房は累積赤字4849万円を抱え、市は昨年暮れ、全所有株を3700万円でJR側に売却していた。臨時株主総会では新役員の選任に先立ち、旧経営陣の取締役8人と監査役2人が全員退任した。
石橋新社長は記者会見で新たな設備投資を打ち出し、▽宿泊施設を現行の11室から30室程度まで増築▽梅酒製造のフル操業と販路の拡大▽道の駅の認知度アップ−−などの経営改善策を示した。その上で「慎重かつ大胆に経営改革を図り、地元と協調しながらインバウンド(外国人旅行客)や都市圏からの観光客を呼び込みたい」と語った。
一方、大分合同新聞では・・・・日田「おおやま夢工房」 理念大切に新体制・・・日田市がJR九州に経営譲渡した「おおやま夢工房」(同市大山町)は27日、臨時株主総会を開いた。創業時から社長だった三笘善八郎氏(元大山町長)ら取締役8人全員が退任し、JR九州の4人が取締役に就任。総会後の取締役会で新社長にJR九州経営企画部担当部長の石橋隆氏(45)を選び、市の第三セクターから民営化した新体制でスタートを切った。
道の駅水辺の郷おおやま(同町)であった株主総会には株主296人のうち141人(委任状を含む)が出席。病気で欠席した三笘氏に代わって緒方英雄専務が「九州を代表するJR九州と良いパートナー関係を結ぶことができた。会社が第1期から第2期の創生期に入ると考えてほしい」とあいさつ。取締役選任案など3議案を可決した。
石橋氏は「これまでの夢工房の理念を大切にしながら、大山町民に喜んでもらえるような付加価値づくりにも取り組む経営を目指したい」と述べた。夢工房は1998年に旧大山町が第三セクターとして設立。宿泊施設のある「豊後・大山ひびきの郷」と「道の駅水辺の郷おおやま」を運営している。市は所有していた全2600株(全体の72・2%)を3700万円でJR九州に売却。緒方専務は顧問として同社に残る。 ※この記事は、1月28日大分合同新聞に掲載されています。