西日本新聞・・・・日田市で今年に入り、製材所などで木材が燃える火事が相次いでいる。26日午後9時半ごろには同市西有田の小田製材所(小田惣一朗代表)の倉庫から出火、木材約15立方メートルとテント張り倉庫の天井約6平方メートルを焼いた。けが人はいなかった。今年に入って木材関連施設の火災はこれで4件目。いずれも現場には火の気がなく、日田署は連続不審火の可能性もあるとみて調べている。
同署によると、1月2日に木材と倉庫の一部が燃えた「マルト木材」(同市庄手)をはじめ、4月2日の日田木材協同組合(同友田)、同15日の「マルミヤ」(同石井)-と、木材関連施設で木材などを焼く火事が続いている。いずれも午後9時半~午前2時半ごろの夜間から未明にかけての出火で、けが人はいなかった。26日の火災では倉庫から約200メートル離れた製材所に夕方まで従業員がいたが、夜間は無人だったという。他の3件の現場も営業時間外で人の出入りはなかった。大分地方気象台によると、県内には乾燥注意報が出ており、28日まで火の取り扱いへの注意を呼び掛けている。西日本新聞朝刊=
大分合同新聞・・・日田市内の木材関連会社で不審火が相次いでいる。今年1~5月の夜間、市中心部から半径約3キロの範囲内で、木材倉庫などが被害に遭う火災が4件発生した。いずれも火の気はなく、日田署は連続不審火とみて捜査を続けている。木材を扱う関係者からは「次は自分の会社かもしれない」と不安が広がっている。
同署によると、ことし確認されている木材関連会社での不審火は▽1月2日午前2時40分ごろ マルト木材(庄手)▽4月2日午後9時45分ごろ 日田木材協同組合(友田)▽同15日午前0時5分ごろ マルミヤ(石井)▽5月26日午後9時半ごろ 小田製材所(西有田)―の4件。現場は木材置き場などで、出入りが自由にできるという。日田玖珠広域消防本部によると、積まれた木材の内部から燃えている点が共通しているという。製材所を中心に夜間のパトロールを強化。同署は何者かが放火した可能性も視野に捜査している。
26日に小田製材所の倉庫で発生した火事では、木材の一部(約15立方メートル)と鉄骨テント張り平屋の天井の一部(約6平方メートル)が燃えた。同署と同消防本部は27日、合同で実況見分をしたが出火原因の特定には至らなかった。同署や同製材所によると、午後5時ごろ、従業員が倉庫で在庫確認をした際に異常はなかった。製材済みのヒノキが積まれており、近くに火の気はなかった。現場は市郊外の田園地帯。県道近くにあるが夜は人通りが少ないという。
同製材所の小田栄一郎常務(45)は燃えた木材を見ながら「いつかはうちの製材所が被害に遭うのではないかと思っていた。防犯カメラの設置も考えていたのに」と話した。相次ぐ不審火を受け、日田木材協同組合は4、5月に各2回、加盟する計56の製材所に▽防犯カメラやセンサーライトなどの設置▽燃えやすいものを放置しない―などの防犯・防火対策を文書で呼び掛けた。マルミヤの宮崎健史社長(47)は「一連の不審火は気味が悪い。夜間でも工場に明かりをつけるなど対策を取っている。もし犯人がいるなら早く捕まってほしい」と話している。 ※この記事は、5月29日大分合同新聞朝刊23ページに掲載されています。
毎日新聞・・・・不審火:製材所倉庫で4件 日田市で1〜5月 日田木協、防犯強化へ 26日午後9時半ごろ、日田市西有田の「小田製材所」の倉庫から出火し、倉庫内の木材や天井など約21平方メートルが焼けた。同市内では今年に入り、製材所の倉庫で起きた不審火とみられる火災は4件目。いずれも火の気や人けのない場所で、日田署は連続放火の疑いもあるとみて捜査している。56業者が加入する日田木材協同組合は防犯カメラやセンサーライト、火災報知機の設置など、自主的な防犯対策の強化を組合員に呼び掛けている。
これまでの不審火は▽1月2日、日田市庄手で倉庫の一部8平方メートル▽4月2日、同市友田の日田木協倉庫で木材25立方メートルと屋根の一部▽同15日、同市石井の倉庫で木材50立方メートルと天井30平方メートル−−がそれぞれ焼けた。このほか、日田市三和の民家でも同26日、農機具の倉庫24平方メートルが全焼し、車2台が一部炎を浴びた。今回を含めてけが人はいなかった。
発生時間はすべて夜間(午後9時半ごろ〜午前2時半ごろ)で、場所はバラバラだが、出入りが比較的自由なのが特徴だ。自らも被害に遭った日田木協の瀬戸亨一郎理事長(55)は「いずれも火の気や人けがなく、放火以外には考えられない火災もあった」と話す。さらに「焦げたのは9センチ角の角材で、ライター程度では簡単に火は付かない。他を含め、強力な火器を使ったのではないか」と推測している。
不審火を受け、木協は4月中旬、日田署に巡回の強化を要望。製材所は元々、放火を想定した対応は取っていなかったが、「これからは積極的な防犯機器の設置などを指導したい」(瀬戸理事長)。近く役員会で協議し、警察による防犯講習会も検討する。また、大量の木材を取り扱う原木市場関係者は「貯木場は広く、なかなか目が届かない」と語り、すでに事務所を含めた8カ所に防犯カメラや火災報知機を設置したという。