現職の原田さん再選 「指導力と説明責任」強調

毎日新聞14日朝刊に日田市長選の記事が載った。・・・・・「任期満了に伴う日田市長選は12日投開票され、現職の原田啓介さん(56)=無所属=が新人の元県教委課長、小池昭太郎さん(57)=同=を約8700票差で退けて再選した。原田さんは「地域力日本一のまちづくり」「継続は力」と訴え、刷新を訴える小池さんをかわした。当日有権者数は5万6048人。低調な選挙戦を反映し、投票率は前回比1・99ポイント減の62・34%で、過去最低だった1991年の60・05%に次いで低かった。

12日夜、同市城町の原田事務所には支持者が詰めかけ、午後10時すぎに確定票が報じられて原田さんが姿を現すと歓声や拍手。壇上で諫山洋介後援会長や井上秀樹選対本部長、衛藤征士郎衆院議員、二日市具正副知事らに迎えられた原田さんは「ある程度実績が評価された」と笑顔で話した。小池さんは「申し訳ない」と支持者に頭を下げ、報道陣に「こう差がつくとは思わなかった。4年後(の再挑戦)は白紙」と語った。

原田市長は翌13日に初登庁し、記者会見。「最初の2年は仕事を覚えたり、豪雨禍の処理に追われたりした。3年目にようやく先が見えるようになった」と1期目を振り返った。さらに「(草の根選挙だった)4年前と違い、産業界が一つにまとまって推してくれた。それだけ責任は重大」と強調。農林業や観光を含めた今後の具体策に触れ、「リーダーシップを発揮し、一層の説明責任を果たしたい」と述べた。

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 ■解説

 ◇「政治家」に脱皮を・・・・・日田市長選は低調な選挙戦の末、現職の原田啓介氏が新人の小池昭太郎氏を破った。争点が少なく、「大きな失政のない市長を1期だけで代えるのはよくない」との民意が働いたとみられる。いわば消極的な支持だ。前回、再選を目指した当時の現職の独断的な手法に有権者がノーを突きつけ、1期だけで終わらせたことに由来する。

だが、原田氏が訴えた「継続は力」に全面的な賛意を表するわけにはいかない。就任1年目に豪雨禍の処理に追われたとはいえ、この4年間、「原田カラー」はごく薄かった。難問に対して責任回避の姿勢も垣間見え、説明不足もあった。かつての市民活動家から、政治哲学を持つぶれない「政治家」に脱皮すべきであろう。日田の将来を決める待ったなしの2期目。地方創生、人口減少対策を軸に「まいたタネ」を育て、果実を市民に供する責務がある。一方、小池氏は市職員労組など労働界や社民党の支援を得たが、逆に失速した。

今春の知事選、大分市長選で労働界の「組織間の齟齬(そご)」が指摘されたばかり。小池氏に対しても組織の支援はまだら模様が目立った。市職労が当選した新人を支援した前々回は、しかるべき理由があった。だが前回は落選した現職に対して一切の運動を「封印」。そして今回、現職を排除した理由のあいまいさに首をひねる職員も多かった。

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 ◇日田市長選確定得票

当 21,656 原田啓介 56 無現

  12,938 小池昭太郎 57 無新

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