副市長2人制否決 議会最終日

市役所26.8.4

 日田市議会は9月定例会最終日の24日、本会議を開き、副市長定数を現在の1から2以内とする条例改正案を否決した。反対は新世ひた、市民ク、共産の計11人。賛成は市政ク、公明の計10人だった。討論では反対意見として「今の副市長の1人体制を充実させるべき」「7月の市長選で2人体制を問うべきだった」などと指摘。賛成の意見は「市長選で掲げられてはいないが公約違反ではない」「(市長の)意向を封じて市の将来への望みを抑えることは避けるべき」などだった。

市長ら特別職給与の削減率を緩和する条例改正案については、市政クと公明、市民ク一部の計12人が賛成。市が提案した削減率を変更する新世ひたの修正案、市長1期目の給与削減率の維持を求める共産の修正案はいずれも否決された。閉会後、原田啓介市長は取材に対して「可決できなくて残念。市民や市議に理解をしてもらえるよう取り組みたい。時期は未定だが再提案したい」と述べた。

唐突…理解得られず 日田市の副市長を2人以内に増員する条例改正案が否決された。背景の一つには原田啓介市長の説明手法のまずさがあった。議員が指摘するのは「提案が唐突だった」という点。7月の市長選で当選し、2期目に入った原田市政にとって最初の議会だが、今回の提案は市長選では言及がなかった。同時に提案された市長ら特別職の給与や退職金が1期目より増額される議案に対し、市民に反対意見があったことも議員の判断に影響したとみられる。 副市長の人件費は年間1千万円超。

原田市長は9月定例会冒頭の所信表明で市財政の厳しさについて言及していた。その中で副市長の人件費をあらたに捻出する提案に理解は得られにくかった。議会質疑で原田市長は副市長の必要性を訴えたが、2人目の副市長にどのような事業を担当させるかなど具体的な役割を十分に説明できなかった。今後、再提案する意向だが、どのように市民理解を求めるかが課題となりそうだ。  ※この記事は、9月25日大分合同新聞朝刊に掲載されています。

一方、毎日新聞報道は・・・『日田市議会:副市長2人以内、本会議でも否決』 日田市議会は9月定例会最終日となる24日の本会議で、原田啓介市長が提案した「副市長を2人以内」とする条例改正案を反対11、賛成10の僅差で否決した。一方、空席だった副市長に県総務部審議監の大塚勇二氏(58)をあてる人事案には全会一致で同意した。任期は10月1日から4年。

副市長2人制案は、16日の総務環境委員会で「7月の市長選で全く触れられておらず、唐突で市民の理解を得られない」などとし、高瀬剛委員長を含む反対多数で否決されていた。原田市長は地方創生に向けてトップマネジメント強化を図ったが、副市長は当面1人だけとなり、今後の市政運営で軌道修正を迫られそうだ。また市議会は、ヘイトスピーチ(特定の外国人を排斥する差別的言動)対策のための法整備などを求める意見書案を、全会一致で採択した。