おおやま夢工房民営化へJR九州に株売却

日田市とJR九州は9日、市の第三セクター「おおやま夢工房」(同市大山町、三笘善八郎社長)について、市の全保有株をJR九州に有償譲渡する方向で協議すると発表した。市は12月の定例市議会に関連議案を提案。可決されれば来年1月末までに譲渡し、民営化される。

おおやま夢工房は、宿泊施設や温泉浴場施設のある「豊後・大山ひびきの郷」と「道の駅水辺の郷おおやま」(いずれも同町)を運営。市は2600株(全体の72・2%)を保有している。2011年度から4年連続で赤字を計上し、経営の立て直しや行財政改革の一環として13年から民営化に向けて協議をしてきた。

市は民営化に伴い課税される固定資産税相当額を支援する他、土地は有償で貸し付け、建物を無償譲渡する方針。従業員(6月末時点で67人)の雇用は継続するという。藤原朱美商工観光部長は「JR九州グループの観光誘客の実績や、市全体の地域活性化に取り組む姿勢が、観光浮揚につながる」と話している。

おおやま夢工房は1998年4月に旧大山町の第三セクターとして設立。資本金は1億8千万円。市町村合併後の2006年から市の指定管理者として各施設を運営する。14年度の売上高は6億9900万円で当期純損失は875万円だった。

※この記事は、11月10日大分合同新聞に掲載されています。