企画展:硯の逸品一堂に 咸宜園教育研究センター

毎日新聞報道によると・・・・『企画展:硯の逸品一堂に 日本遺産認定記念「史跡・咸宜園跡」 30日まで、日田市咸宜園教育研究センター』  「史跡・咸宜園跡」の日本遺産認定を記念する企画展「文人の至宝〜学芸と硯(すずり)の世界」が、日田市淡窓の市咸宜園教育研究センターで開かれている。広瀬淡窓が愛用した硯だけでなく、同じ認定自治体の水戸市・水戸彰考館跡、栃木県足利市・足利学校跡、岡山県備前市・旧閑谷学校から出土した文人や偉人らの逸品が、九州で初めて一堂に会している。30日まで(水曜休館)。入場無料。

 

◇“門外不出”並ぶ

2003年度まで16年間にわたる咸宜園跡の発掘調査で、門下生の名前や出身地の銘が入った赤間硯(山口産)8点と破片多数が出土した。日本遺産認定を機に、世界文化遺産登録を目指す4市の硯を展示しようと、同センターの吉田博嗣・副主幹(48)が各方面を駆け回り、“門外不出”の逸品、名品を含む企画展が実現した。

 

◇淡窓らの愛用品

日田では咸宜園跡の出土品や、淡窓と久兵衛兄弟の装飾・彫り込みを施した赤間硯55点のほか、筆洗、筆入、筆橋なども。久兵衛の道具箱は実業家らしく硯、墨、和紙、水滴、そろばんがワンセットになっている。水戸、足利の品も同様に名品ぞろいだ。中でも必見なのは、戦国大名の毛利輝元が晩年に使っていた赤間硯(毛利博物館所蔵)や八角形赤間硯(長府博物館所蔵)。裏側に「天下一」と彫られ、名工・大森土佐守の作と分かる。淡窓と交流した画家の田能村竹田の硯や、備前・熊沢蕃山の硯箱、長州・大村益次郎の硯屏も興味深いところだ。

 

◇硯の変遷たどる

吉田副主幹は「戦国期から江戸期、明治期の赤間硯を中心に、硯の変遷と歴史をたどれる貴重な機会になるのでは」と話している。