心つないだ時代行列 日田への思いさらに強く

新婚夫婦や婚約中のカップルが西国筋郡代の夫婦役になって日田市豆田町周辺を歩く「日田天領まつり」の時代行列。今年は婚約中の金森悠司さん(26)=同市=が郡代役、倉原枝里子さん(25)=大分市=が奥方役を務める。2年前、同じ役になった先輩夫婦の姿を見て結婚に憧れるようになったという。このイベントが2人をつなぐ“キューピッド”となった。

2人とも県職員。金森さんは2012年から日田市で勤務。倉原さんも今年3月まで同じ職場だったが現在は県庁で働いている。互いに大分市出身だが、豆田町で結納をし、その足で町民にあいさつ回りをするほど日田への思いは強い。結婚は倉原さんが2013年の時代行列で腰元役で出演したのがきっかけ。郡代、奥方役は同じ職場で働いていた先輩夫婦だった。それぞれの家族や地域住民から祝福される2人の姿が「輝いて見えた」という。それまで「独身のまま生きていこう」と思っていたが「こんな夫婦になりたい」と結婚願望が強まった。金森さんも先輩夫婦の仲むつまじい様子に憧れていたという。
当時、2人は会話を交わす程度の仲だったが、その後に付き合うようになり、今年10月に婚約。来年1月に式を挙げる予定。金森さんはいずれ異動するため「今年しかないチャンス」と応募した。金森さんは「日田を背負って歩くことになる。私たちも憧れる夫婦に見られるように振る舞いたい」。倉原さんは「先輩夫婦からバトンを手渡された気分。世話になった人に感謝の気持ちを込めて歩きたい」とイベントを待ちわびている。 
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時代行列は「第36回日田天領まつり」のメーン行事で15日午前10時半から。雨天中止。総勢約150人が行列をつくる。市長が郡代役を務めていたが、11年から市民参加の祭りにしようと新婚夫婦や婚約中のカップルが対象となった。イベントの問い合わせは市観光課(TEL0973・22・8210)へ。※この記事は、11月13日大分合同新聞朝刊13ページに掲載されています。