おおやま夢工房を子会社化 地元から評価される施設に

大分合同新聞報道によると・・・・日田市とJR九州(本社・福岡市)は、第三セクター「おおやま夢工房」(三笘善八郎社長・同市大山町)の民営化に向けて協議している。市は全持ち株を有償譲渡するため市議会12月定例会に関連議案を提案する予定。JR九州も宿泊部門の強化など積極的に事業を進めるという。同社の前田勇人常務に譲渡先として名乗りを上げた理由や今後の計画について聞いた。

 

―人口減が進み、鉄道のない大山町でなぜ事業展開しようと考えたのか。
2012年末、三笘社長から唐池恒二会長(当時・社長)に「力を貸してほしい」との依頼があり検討を始めた。JR九州は九州の基幹産業である農業に10年から進出。まちづくりでは福岡市で都市部の再開発を手掛けた。鉄道輸送だけでなく旅行や流通、飲食、宿泊などにも取り組んでいる。夢工房はJR九州と同じように複合的な事業をしており、ノウハウを生かして地方創生にチャレンジできるチャンスと考えた。
 ―累積赤字は昨年度約4800万円。どのように経営再建するのか。
JR九州グループの総力を挙げる。新規投資は約7億円を見込む。目玉は新たな宿泊施設の建設。現在の10室から30室程度に増やす。他に施設改修には約3億円かける。まだ決まっていないが16、17年度でやりたい。梅酒の製造は全国規模の品評会で最高位を取る力があり、魅力的なコンテンツ。豪華寝台列車「ななつ星」でも提供しており、販売拡大が期待できる。ある程度農地を確保することも考えていきたい。
 ―鉄道会社が「道の駅」を経営することになるが。
地方の情報発信拠点として道の駅の役割は大きく、やりがいがある。観光客だけでなく地元住民にも評価される施設にしたい。
―日田市との協力については。
大山町のある奥日田エリアには魅力的な場所も多い。日田市全体の情報発信や、イベント開催など一緒になって地域浮揚に取り組みたい。

 

記事・用語解説  『おおやま夢工房』 1998年4月に旧大山町の第三セクタ―として設立。温泉宿泊施設「豊後・大山ひびきの郷」や「道の駅水辺の郷おおやま」を運営している。日田市は所有する2600株(全体の72・2%)を3700万円でJR九州に譲渡する計画。関連議案が可決されれば来年1月末に民営化される。

※この記事は、12月3日大分合同新聞朝刊5ページに掲載されています。