「おおやま夢工房」 経営譲渡に合意

 

日田市とJR九州(青柳俊彦社長)は12月25日、市の第三セクター「おおやま夢工房」(同市大山町、三笘善八郎社長)を同社に経営譲渡する内容の合意書を締結した。来年1月末の民営化後の社長にJR九州経営企画部担当部長の石橋隆氏(45)が内定していることを明らかにした。

広瀬知事に報告・・ 合意書によると、市所有の全2600株(全体の72・2%)をJR九州に3700万円で有償譲渡。市有地を有償で貸し付ける。支援策として市は建物(資産評価額約9億6千万円)を無償譲渡。固定資産税相当額(年間1900万円・初年度のみ1350万円)を最長10年間にわたって補助する。JR九州は宿泊施設を新設(事業費7億~8億円)。現在の11室から30室程度に増やすと同時に室内グレードを高める他、温浴施設などを改修(同約3億円)。従業員は引き続き雇用する。

 

この日、原田啓介市長とJR九州の青柳俊彦社長、おおやま夢工房の三笘社長は県庁を訪れて広瀬勝貞県知事に締結を報告。その後の会見で、青柳社長は「日田、大山の元気づくりのために頑張りたい。JR九州にとって新しいチャレンジ。全ての力を使って成功させたい」と抱負。原田市長は全株譲渡について「JRが地域貢献するような企業体として経営するとの提案をいただいたので判断した。夢工房はここ数年赤字が続いていた。立て直すには資金も人も必要だったのでJRにお願いした」と理解を求めた。

<メモ> 夢工房は1998年に旧大山町が第三セクターとして設立。宿泊施設や温浴施設のある「豊後・大山ひびきの郷」と「道の駅水辺の郷おおやま」を運営している。2014年度の売上高は約6億9900万円。4年連続で赤字を計上しており、累計赤字は昨年度で4800万円。 ※この記事は、12月26日大分合同新聞朝刊13ページに掲載されています。